平地を気持ちよく走るロードバイク乗りが最初にぶちあたる壁、それは「登りがつらい」だと思います。ヒルクライムともなると、もう途中で歩いてしまうことも。
そこでビンディングの購入を検討すると思うのですが、高い買い物になるので、ビンディングで登りが楽になるのか?フラットペダルではだめなのか?など、色々な疑問がでてきます。
僕自身、もともとフラットペダルだったので、同じく色々悩みました。今13年ロードバイク乗って1つの答えに辿り着いたので共有したいと思います。
ビンディングとは。
まず、ビンディングの説明です。ビンディングとは、専用のペダル(ビンディングペダル)とシューズ(ビンディングシューズ)を使って、ペダルと足を固定させることです。
ペダルとシューズが固定されているところです。このシューズに自分の足をいれてこぐことをイメージしてください。
ビンディングシューズの裏のつま先側に、特殊な器具が付いており、その器具を使ってペダルとシューズを固定しています。
普通にこぐ限り、靴とペダルは外れることはありません。外す場合は、靴のかかとを外側にスライドさせる必要があります。
一般的に、ロードバイクでビンディングというと、このビンディングシューズとビンディングペダルを使うことを表します。
ビンディングとフラットべダルの違い
ビンディングとフラットペダルの違いは、細かくわけると次の3つの違いになります。
- シューズとペダルの固定の有無
- ペダル面の形状の違い
- シューズの違い
それぞれについての効果を評価します。
シューズとペダルの固定の有無
ビンディングの場合、シューズとペダルが固定されます。シューズとペダルを固定すると「引き足」効果と「シフトチェンジ時のパワーロスの最小化」効果を得ることができます。また、「膝の痛み」や「立ちごけのリスク」というデメリットもあります。
引き足の説明
通常自転車はペダルを踏みこむ力で推進します。右のペダルを踏んだ後は、左のペダルを踏むことで、右のペダルが一回転して元の位置に戻ってきて、その右のペダルを再度踏むということを繰り返し、自転車は前に進みます。ということは、片足だけではペダルが一回転しないため、自転車は進まないのです。
シューズとペダルを固定することで、ペダルを上から下に踏み込むだけでなく、ペダルを下から上に引き込むことができるため、片足だけでペダルを一回転できるようになります。このペダルを引き込む動作のことを「引き足」と言います。
これまでは、ペダルを踏みこむ力だけで進んでいた自転車に「引き足」の力が加わるため、より効率的なペダリングができると言われています。
引き足の効果
引き足効果ですが、相当乗りなれた方、鍛錬を積んだ方でないと、実感できないと思います。
効果を詳細に説明すると、「引き足」で新しい動力源をえたことにより、今までよりパワーの出力が上がったり、他の筋肉の疲労を抑えることで持久力がUPします。少しでも速く走りたい人や超長距離を走る人向けの効果だと考えています。
ただ初心者は「引き足」よりも、ペダリング技術や筋肉疲労を軽減するようなライドテクニックのほうが重要です。
シフトチェンジでのパワーロスの最小化
シフトチェンジするとギアが変わるため、その振動で自転車が少し左右にブレる時があります。特にペダルに力をかけてゆっくり走っている時(急な登りなど)のシフトチェンジでは、より左右にぶれます。
この左右のブレが、ペダル上のシューズの位置を変えてしまいます。シューズの位置はすぐに戻せばいいのですが、その位置を戻す行為の分、ペダリングにパワーロスが発生します。
シューズとペダルを固定することで、シューズの位置ずれによるパワーロスを最小にすることができます。特にダンシングの時にはこのロスを最小にしたいですよね。
ペダルとシューズの固定することによるデメリット
靴とペダルを固定するので、ペダリング時の姿勢・こぎ方が強制的に補整されるため、まれに「膝が痛くなる」場合があるそうです。
他にも、急ブレーキ時にペダルから足が外れず転んだり(通称「立ちごけ」)と、ペダルとシューズを固定したら、いつもよりも安全運転を心掛ける必要があります。
ペダル面の形状の違い
フラットペダルは両面どちらでも踏め、形状が単調です。Shimanoのビンディングペダル(SPD-SL)は、表裏のあるペダルで片面でしかこげないですが、こいだ力を効率的にロードバイクに伝える形状となっています。
この形状の違いは「パワーロスの最小化」の効果があります。
上がフラットペダル、下がShimanoのビンディングペダル(SPD-SL)です。
ヒルクライムでは、こいだ力のパワーロスを最小にして推進力とすることが大切であり、同じ目的で作られたビンディングペダルの方が、汎用性が必要とされるフラットペダルより登りやすいし、疲れにくいです。
一部レビューはこちらの記事「SPD-SLビンディングペダルと超軽量フラットペダルを両方使ってみた感想・レビュー」でも紹介しています。
シューズの違い
ビンディングシューズは、靴底が固く、ペダルを踏んだ際のパワーを、靴底の面全体でうけとめて、パワーロスを最小にして自転車(ペダル)に伝えることができます。
シューズによるパワーロスを体験したい場合、クロックスで自転車に乗ってダンシングしてみてください。靴裏がフニャフニャとしなり、こいだ力がそのしなりに吸収されてしまう感覚が分かるかと思います。
今フラットペダルでロードバイクに乗っている方は、シューズを見直すだけでもヒルクライムが楽になる可能性があります。
フラットペダルの方へのおすすめシューズ
土踏まずからつま先にかけて、しなりの小さいシューズを選ぶことが大切です。
僕のオススメシューズは、底の厚いスポーツシューズです。このようなシューズであれば、パワーロスが少ないペダリングができます。
左がビンディングシューズ、右が最近よくライドで使っているスニーカーです。斜度10%ぐらいの登りであれば、このスニーカーで問題なく登れます!
ビンディングシューズを選ぶべき方とは
ビンディングシューズを選ぶべき方とは、少しでも速く走りたい方やビンディングシューズに憧れをもっている方です。それ以外の方であれば無理して買う必要はありません。
僕の場合「安さ&憧れ」が理由で買ってます。とてもかっこいいシューズが特売で半額だったので、とびついて買ったのを覚えています^^。
ビンディングだとヒルクライムは登りやすくなるのか?
ビンディングとすることで効率的なペダリングが実現できるのでヒルクライムは登りやすくなります。
ただ、ペダルだけ換えてもヒルクライムには効果があると考えます。ビンディングペダル(SPD-SL)のペダル面の形状が、こぐ力のパワーロスを最小にしてくれるためです。その際は、パワーロスが発生しにくいシューズを履くことが大切です。
なお、ヒルクライムにおいては、フラットペダルからビンディングに交換する以上に、ライドテクニックのほうが重要だったりします。
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